階段を考える-箱階段とスケルトン階段-

家づくり

スケルトン階段/ストリップ階段

ちょっとおちゃめでいやらしいような響きのネーミングですが、文字通りすけすけの階段のことを指します。
オープン階段などと呼ばれることもあるそうです。

きちんと言うなら、スケルトン階段とは踏み板と骨組みのみで作られている階段のこと

その骨組みは木製の場合もありますし、スチール製の場合もあります。
このスチール製の階段を、「鉄骨階段」と呼ぶんですね。

スケルトン階段/ストリップ階段のメリット

・なんだかおしゃれに見える

一般的にスケルトン階段=おしゃんというイメージが強いようです。

個人的には、ただスケスケならおしゃれ!ではなく、階段のササラや、手すり、配色などのバランスをとることが重要になってくると思います。そうでないと、鉄骨階段なのにあれ?というケースになってしまうことも。

そのあたりは「鉄骨階段って、いい」の記事をごらんください。

・家全体が明るく開放的になる

踏み板と骨組みのみで構成されていますから、スケルトン階段には階段を登る際の、つま先が当たる部分の板がありません。

階段下から見ると、登っている人の足が見えるわけですが、そのように空間が抜けているのでとても開放的になります

階段上の階や、サッシからさす光が階下に届くため、とても明るい印象にもなります。

・家全体の風通しが良い

これは実際にスケルトン階段を導入した新居に暮らしてみて実感したことですが、風通しは本当に良いです。

我が家の場合は屋内にもたくさんの植物を育てていますし、何よりも自然を感じるマイホームというものを重要視していますので、風が自然に通るということは大きなメリットと感じています。

・人の気配を感じやすい

これはデメリットと感じる場合もあるかもしれません。

ですが、我が家の場合は夫婦揃って日本家屋ならではの箱階段に、ちょっと怖いという印象を持っていました。

怖い話の見すぎなのかもしれませんが、暗い階段を登った先に、もしお化けがいたらどうしよう…なんてことは、小さな頃からよく考えるタイプの子供でした。
なので階段って怖いもの、という印象でした。

大人になってもそのへんはさほど修正されずにきましたので、1階と2階はオープンで、いつも家族の存在を感じていたほうが安心するという共通認識がありました。

実際にスケルトン階段で生活してみると、たしかに階上の声は聞こえますし、歩いている足音なんかも聞こえます。我が家の間取りは少し特殊で、廊下という概念がないため、テレビがついていることもなんとなくわかります。

もちろんこれをそのままデメリットと感じる方もいると思いますので、ここは人それぞれだと思います。

そういった、空間全体がひとつながりで、オープンであるというポイントもあります。

スケルトン階段/ストリップ階段のデメリット

・費用が高い

箱階段に比べ、スケルトン階段はその費用が高くなる傾向があります。

階段本体も高いのですが、意外と見落としがちなのが手すりの部分。手すりも決して安いものではありません。

間取りに合ったスケルトン階段を造作するとなると、手すりの部分も間取りに合った形状に造作することになります。建築基準法では「階段には手すりを設けなければならない」という決まりが法律で定められていますので、本体と手すりの費用がかかってきます。そのあたりは予算オーバーにならないように注意が必要です。

我が家は実際に鉄骨階段を導入しましたが、もともとの標準オプションに+500,000円という費用がかかりました。これでもネットで調べたいくつかの会社の製品よりは安く抑えてもらっていると思います。

・安全性に気を遣う必要がある

スケルトン階段を導入する際に、実際に一番気になったのがこの部分です。

子供が幼児ですので、
階段の手すりの隙間から落下しないか
・階上からおもちゃなどを階下に落とさないか
・階段の隙間から子供が落下する可能性はないか


こういったことは懸念しましたし、対策をしっかり知った上で導入を決めました。

安全策の例>

手すり

に関しては、手すりの形状や間隔というものは設計の段階で自分たちで選び、決めることができると思います。

細いスチール製の手すりの場合、横ラインが少なすぎると間隔が広くなり、転落のリスクが増えます。
あまりにスケスケですと、大人でもちょっと怖さを感じますよね。

どうしてもというこだわりがない場合、3本は横ラインを入れたいですよね。

ただし、あまりにも安全性を高めようとして手すりの本数を増やしてしまうと、せっかくのスケルトン階段の開放感が損なわれてしまう場合があります。

そういった場合は、手すりの間隔を最低限として、子供が大きくなるまでは既存の落下防止用ネットなどを自分たちで取り付けるといった対策もあります。

自分の家の子供はスケルトン階段に慣れるために落下の危険性がほとんどなくなったとしても、遊びに来た子供たちが危ない思いをするという場合もありえますので、そういった安全策を知っておくことは重要だと思います。

■おもちゃなどの落下防止

階上の床を少しだけ上げてもらうといった工夫をすることで、おもちゃなどの不意な落下物を防ぐことができます。

リビングに直結する階段の場合は、子供だけでなく大人もなにかの拍子にモノを落としてしまう可能性もありますので、この工夫は安全のためにもおすすめします。

■階段の間隔

我が家の子供は階段の隙間に頭が入らなかったため、蹴込み板が無い部分の対策は取っていません。

もっと小さな、ハイハイをするようなお子様がいる場合などは、蹴込み板が無い部分から子供が落ちてしまう可能性がないか心配になりますよね。

階段への侵入をストップするベビーゲートだけでなく、必要であれば安全用のネットが販売されていますので、各家庭に合った安全策をとってほしいと思います。

小さな赤ちゃんは階段のエンドレス登り降りがどうしても好きですので、自分の子供が通ってしまうかどうかを検証した上で、階段数の調整も行っていきたいですね。

・物音が響く

これはメリットの点でもふれた通りです。
やはり空間はひとつながりですから、家族の気配は感じやすいですし、階上階下の音も日常のように聞こえてきます。

・冷暖房の効率が下がる

これも空間がひとつながりだからこそ起こりうるデメリットとなります。

一般的には夏の冷房は階下に逃げやすく、リビングが2階などだと冷えにくいといったデメリットがあるそうです。熱は2階に上がりますしね。

また、空間が広くつながっていますから、やはりどうしても暖房の効きが悪くなり、冬は寒くなりがちという点も留意しないといけないそうです。

ただ、こちらのデメリットに関してはまだ実感が湧いていません。
スケルトン階段の新居に越してから、夏も冬も経験していないからです。

こちらに関しては実際に夏と冬を体験した上で、また別にブログでまとめたいと思っています。

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